2012年05月25日

映画『彼女を見ればわかること』



映画『彼女を見ればわかること』2000年 アメリカ



ホリー・ハンター
グレン・クロース
キャリスタ・フロックハート
キャメロン・ディアス

ロドリゴ・ガルシア監督



公開当時渋谷文化村ル・シネマに観に行った記憶。その後
何度かレンタルでも見たが、
孤独に疲れるとこの映画が見たくなる。
一人の若い女性の遺体が見つかったことにはじまり、
5人の女性達の人生がLAという土地で知らず知らずのうちに交錯する。
それぞれにキャリアを持ち一見恵まれているように見えながら
彼女達の生活を通して救いようのない深い孤独が現れる。
女性をテーマにしていながらも、「女性」性だけに留まらない深さを持つと思う。

キャメロン・ディアスの長い独白シーンがいつまでも忘れられない。
彼女はこういう映画に出たり「マルコヴィッチの穴」に出たりと
興味深い作品選びをする女優だ。
この映画はそれぞれの女性の繊細な表情を味わうべき作品だろう。
何か答を見つけたり、物語の落としどころに満足するのではなく、
ただ登場人物とともにそこに流れる空気に同化するべきである。

監督はあのガルシア・マルケスの息子ということでも注目を集めた。
posted by シシカバブ at 00:00| cinema, drama, tv program | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月22日

映画『山羊座のもとに』



映画『山羊座のもとに』1949年



アルフレッド・ヒッチコック監督

イングリッド・バーグマン



『バルカン超特急』などのヒッチコックらしいサスペンスを期待するとはずれで、
まったくのメロドラマ。
ちょっとおもしろくなかったな。
posted by シシカバブ at 00:00| cinema, drama, tv program | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月21日

映画『テルマエ・ロマエ』



映画『テルマエ・ロマエ』2012年 日本



阿部寛
上戸彩
市村正親
北村一輝
宍戸開



何も考えずに観れる映画を、という誘惑にまけてバルト9で鑑賞。

原作エピソードを忠実にこなす前半の方が完成度としては低く、
オリジナルのストーリーが本格的になったくらいからやっとまともに「映画」になってきた、という印象。
それゆえ 多くのユーザーレビューにある
「前半はテンポも良く楽しかったが後半がよろしくない」という評には自分は不賛成気味。
というのもこの評価の理由として、ローマの危機なんていう話に現代のじいちゃんたちがかつぎだされるくだりがくだらないとか信憑性がないとかいう理由だからで。
むしろこの映画にそれほど充実した内容を期待していなかった自分としては
後半、まあそういうこともあるわね、という程度。
むしろだからといって「映画」として面白かったかというとそれはまた別の話なのだが。

むしろ問題だったのは前半で、
原作で既におなじみのエピソードを割合忠実に再現した故、
かえって原作の持っているシーンと言葉の絡み合いに引きずられすぎたという印象。
漫画の中で絶妙に繰り出された言葉(及びルシウスの独白)と絵のリズムは漫画だからこそできた話で、
映画には映画の説得の仕方があると思う。
原作の流れを重視したために言葉とシーンのバランスが悪く、
ルシウスの独白が悪目立ちしたという印象。

原作にない上戸彩の役については、まあいいんじゃないでしょうか。
いてもいなくてもどちらでもよかったと思います。

阿部ちゃんが株を上げた映画ということで。
posted by シシカバブ at 00:00| cinema, drama, tv program | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月15日

須賀敦子『地図のない道』新潮文庫



須賀敦子『地図のない道』新潮文庫



須賀の作品として読んだ2作目。
『トリエステ〜』のほうが個人的には好きだが、
歴史の澱と自身をつなげてゆくささやかなやり方に共感をする。
posted by シシカバブ at 00:00| essay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月13日

さいとう・たかを『ゴルゴ13 第149巻 激突!AK-100vsM-16』リイド社



さいとう・たかを『ゴルゴ13 第149巻 激突!AK-100vsM-16』リイド社



激突!AK-100vsM-16
極限標的
ピンヘッド・シュート
posted by シシカバブ at 00:00| manga | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月12日

映画『エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜』



映画『エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜』2007年フランス



マリオン・コティヤール
シルヴィー・テステュー
ジェラール・ドパルデュー



コティヤールの迫真の演技が素晴らしい一作。
特殊メイクも素晴らしかったといえ、
あの美人のコティヤールが、
如何にも育ちも素行も悪い貧困層出身の女性そのものになりきっている。
下卑た目つきや体つき、姿勢、歩き方までが、とてもコティヤール本人と同一人物とは思えない。
しかし恋した時に見せるはにかみや輝き、
歌を賞賛されたときの素直な喜びには、
魅力的な表情を見せる。
マルセルをなくしたときのシーンは哀切。
posted by シシカバブ at 00:00| cinema, drama, tv program | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月10日

鈴木透『性と暴力のアメリカ 理念先行国家の矛盾と苦悩』中公新書1863



鈴木透『性と暴力のアメリカ 理念先行国家の矛盾と苦悩』中公新書1863



経済や科学技術といった側面では世界でも超大国でありながら、
内には人種差別や銃規制問題など、性と暴力に関する根深い問題を抱えるアメリカ。
その問題の数々を概覧できる格好の書。



本書から幾つかの気になったデータ:

・1882年から1950年代までリンチの82%は南部で行われ、その南部のリンチの72%で黒人が犠牲者となっている。
・アメリカ精神医学協会が同性愛を精神病リストから除外したのは1974年。
・異人種間の結婚を巡る有名な裁判「ラヴィング対ヴァージニア判決」が下されたのは1967年。これにより、「ミンジネーション」(白人と黒人の性的接触)および白人と黒人の結婚が全米で認められるきっかけとなる。
posted by シシカバブ at 00:00| america, ny | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月08日

エドモン・ジャベス『歓待の書』現代思潮新社



エドモン・ジャベス『歓待の書』現代思潮新社 2004年



エドモン・ジャベスは詩人(1912-1991)。エジプト生まれのユダヤ人。
デリダ、ブランショ、レヴィナス等によって高く評価されている。
「死に向けて、ただそれだけのために書かれた」(p.154 訳者あとがき)本。



7
書くこと、いまは、もっぱらある日私が存在するのをやめたことをただ知らせるためだけに、私の上空そして私の周りですべてが青くなり、鷲の飛翔のための茫漠たる空虚な拡がりになったことをただ知らせるためだけに、その力強い翼は、羽ばたきながら世界への決別の身振りを果てしなく繰り返しているのだ。
・・・
言葉に希望がないとき、書物は無益である。

26
その探求の終わりに、ついに起源の絶頂に達する前に、光にはつねに目の前に踏破すべき長い道程があることを彼は確認した。

昨日は、すでに明日の失墜である。

疲労の時には、影は最愛の人である。

78
「おまえの孤独はわれわれのそれに等しい。
今夜、私はおまえに私の本を贈る。」

「本は贈られるものではない。人はそれを選ぶのだ。」

「言語についても事情は同じなのだ。」

87
私はあなたが誰であるのかあなたにたずねはしない。あなたの出身地も、あなたが赴く場所も。
死は問いを越えてある、われわれの屋根の上に星々があるように。
それが傾くとき、太陽は視覚に屈する。
われわれが再会するところで夜が明ける。

102
人はもはや存在しないものしか憶い出さない。

賢者はけっして《神がある》とは言わず、《神があった》と言う。彼がけっして《私がいる》とは言わず、《私がいた》と言うように。
未来は神の時間である。過去は人間の時間だ。

108-109
《思考の時間は、結局死への順応の時間にすぎない。墓碑銘のかすれだ》、と彼は言っていた。
そして彼はつけ加えて言うのだった、《人は、われわれの死しか語らない語より先に死ぬのだ》。
posted by シシカバブ at 00:00| Jew | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月06日

映画『ココ・アヴァン・シャネル』



映画『ココ・アヴァン・シャネル』2009年 フランス



アンヌ・フォンテーヌ監督

オドレイ・トトゥ
ブノワ・ポールヴールド
アレッサンドロ・ニヴォラ
マリー・ジラン



公開当時、シャネルの映画が立て続けに公開されたのを覚えているが
今更ながらDVDで鑑賞。
『シャネル&ストラヴィンスキー』のアナ・ムグラリスのほうが写真で見るシャネルのイメージにはあっているが、
映画としてはオドレイ・トトゥのほうがちょっとした表情等に魅力がある。
きっと、こんな風に日々を過ごしたのであろう、と思わせる表情である。
また終盤のショーのシーンは大変美しかった。
じつはそれを除けばそれほどストーリー的に面白いわけではないのだが。
ボーダーのTシャツにツイードチェックのジャケットを合わせる姿が素敵だ。
おそらく当時シャネル自身が周囲の中でモダンに浮いていたであろうことがきちんと描かれている(衣装やメイクで)

マリー・ジラン老けたなあ・・・
posted by シシカバブ at 00:00| cinema, drama, tv program | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月04日

山田俊幸監修『大正イマジュリィの世界』ピエ・ブックス



山田俊幸監修『大正イマジュリィの世界』ピエ・ブックス



大正〜昭和初期に活躍したイラストレーター、デザイナーの作品が集められた本書。
そのデザインは今見ても古びない。
またベルグソンの「エラン・ヴィタル」がキーワードとして扱われる。
思った以上に素敵な本であった。
posted by シシカバブ at 00:00| art | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする